栃木県支部会の東日本大震災避難者への支援活動について
-認定カウンセラーとして-
当会では、栃木県内の原発避難者と津波被害地・石巻への支援を行っています。
県内の原発避難者は2700人で、避難先は借上住宅・雇用促進住宅・公営住宅・親戚知人宅などです。震災の影響に加えて、経済的な生活の基盤が整っていないことや慣れない土地での生活などに多くのストレスを感じていらっしゃる様子です。当会が所属する栃木県のボランティア支援団体“とちぎ暮らし応援会”は、避難者のために交流会を開催し、親睦・情報交換・コミュニティ作りなどのサポートをする取り組みを行っており、当会もその交流会に参加し、お話を聴かせて頂いております。避難者の方々の思いは、今まで住んでいた原発から20キロの警戒区域やそれ以外の区域に住んでいた方・年代・同一家族内でも思いに違いがあり、警戒区域内からの避難者からは、「自宅に帰りたいが当分帰れないだろう。」、「店がなく、帰っても生活が送れない。」、「両親は、避難者という特別な扱いをされることが嫌で家に閉じこもりがちで心配であるが、自分は新たな生き方を模索したい。」、「震災の影響で、仕事を失い・仲間との繋がりも失った。仕事の依頼があるがまだ、動き出せない。」、「子供のことを考えて、放射線量の低いところに住みたい。」など、福島県に帰りたくても帰れない複雑な気持ちを、たくさん聴かせていただいております。そのような状況の中、当会では、交流会に参加出来ない方の孤立防止の一環として、また、交流会とは別に心のケアを希望する方に対し、新たに“心の電話相談”を開設したところです。
また、石巻の被災者支援については、震災による津波の被害をうけながらも、かろうじて残る2階部分で不自由な生活を強いられている方や津波被害の痕跡が残る自宅を改修して生活をしていらっしゃる在宅被難者の方を対象にした健康生活アセスメント調査及びカウンセリング活動を、数回にわたり実施してまいりました。12月には、石巻生活健康推進協議会企画による同一活動を、支部会員15名で行い、約200世帯を訪問させて頂きました。その訪問で肉親を亡くした、津波に巻き込まれたが助かったなどの、痛ましい体験を1時間以上にわたり語られる方、中にはPTSDの症状を呈する被災者の方などもあり、その中で継続的な心のケアが必要な方に対しては、石巻生活健康推進協議会から行政に橋渡しをするなど、行政との連携もでき始めたところです。
被災者支援活動への取り組は、当会としては未経験でしたが、積極的にボランティア団体等との繋りを作ったことで、支援活動の広がりが出来るようになってきました。復興は、避難者それぞれに持つ意味が違い、そして、さまざまな思いをお持ちになっていることから、当会としては、傾聴することが心のケアの始まりだと考え、県内の避難者はもとより、被災地の被災者に対しても、交流会などを通し、あるいは電話相談などにより、出来るだけ多くの避難者のお話を聴かせていただくよう、今後も継続して支援活動をして参ります。